場違いな神様


これは出版していない3冊目以降の本の著作権を含む。

場違いな神様というタイトルだが、ここでは八百万(やおよろず)の神々がなぜ日本神話に登場しないような場所に祭られるのか一部を取り上げてみて、参考文献とインターネット検索で資料を集める。

日本神話最高の双璧(そうへき)の軍神(いくさがみ)である経津主神(ふつぬしのかみ)と武甕槌神(たけみかづちのかみ)は、千葉県香取(かとり)市の香取神宮と茨城県鹿嶋市の鹿島(かしま)神宮の祭神で、宮城県塩竈(しおがま)市の塩竈神社にも双璧の軍神が祭られて、『日本書紀』で双璧の軍神が茨城県日立市の大甕(おおみか)神社に祭られる天津甕星(あまつみかほし)またの名が天香香背男(あめのかかせお)を討伐しようとしたと記される。
双璧の軍神が天津甕星を討伐しようとしたのは葦原中国(あしはらなかつくに)平定神話の一部とされて、古史古伝『ホツマツタエ』に記されない『日本書紀』独自の記述のようだが、出雲の国譲り神話以前に双璧の軍神が東国平定をした根拠になる。
双璧の軍神が香取神宮と鹿島神宮の祭神と塩竈神社に祭られる理由は、経津主神(武渟川別(たけぬなかわわけ)を神格化)と武甕槌神(初代・武内宿禰(たけのうちのすくね)を神格化)が東国平定をした武将で、中部地方から東北地方南部までを西暦254年までに平定したためである。
経津主神(武渟川別を神格化)と武甕槌神(初代・武内宿禰を神格化)は、景行(けいこう)天皇と物部(もののべ)氏の女性との間に生まれた孫と曾孫で、西暦254年までに中部地方から東北地方南部まで平定をして、西暦260年に出雲王国を崩壊させた武将であり、2人とも武勲などで大臣にまでなったと考えられる。
経津主神と武甕槌神の神刀と伝えられる布都御魂剣(ふつのみたまのつるぎ)は、国平(くにむ)けの剣(つるぎ)とされるのが双璧の軍神の東国平定と出雲王国平定の帯刀と考えられて、奈良市の春日(かすが)大社で双璧の軍神が摂関(せっかん)藤原氏の守護神として合祀されて、その理由が『ホツマツタエ』の藤原氏系図で双璧の軍神の血筋が関係することにある。
双璧の軍神は物部氏と藤原氏の氏神で、古代天皇家(邪馬台国)発展の功労者として重視されて、後世に大きく政治利用されたかわいそうな神様である。

京都府宮津市の元伊勢籠(この)神社の祭神である火明命(ほあかりのみこと)は、『ホツマツタエ』の記述から2代目・火明命(彦坐王(ひこいますのみこ)を神格化)に当たって、彦坐王が古代太陽神の初代・大物主神(おおものぬしのかみ)や天日槍(あめのひぼこ)などにも神格化されて、元伊勢籠神社宮司家の海部(あまべ)氏の直系先祖である。
元伊勢籠神社で火明命と同一神とされる火火出見尊(ほほでみのみこと;仁徳(にんとく)天皇を神格化)は、九州の日向(ひうが;宮崎県の古名)神話に登場する神様で、なぜ京都府北部に祭られるか分からないだろう。
元伊勢籠神社の伝承によると、火火出見尊が海神(わたつみ)の宮に行く時に塩土老翁(しおつちのおじ;初代・武内宿禰を神格化)の作った籠(かご)に乗ったとか、火火出見尊が雪の中で籠(かご)に乗って現れたとも伝えて、僕なら簡単に求められて説明できる。
彦坐王の子孫で物部氏出身の神功(じんぐう)皇后は、西暦260年11月(神無月)に出雲王国平定をして三種の神器を取り戻して、仲哀(ちゅうあい)天皇9年12月14日(西暦261年1月中旬頃)に息子の誉田別尊(ほむだわけのみこと・即位しない応神(おうじん)天皇;瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に神格化)を生んで、摂政3年1月3日(西暦263年2月上旬頃)に2歳弱の誉田別尊を立太子(りったいし;皇太子になること)して、幼少の誉田別尊を雪の中で三種の神器と共に宮崎県に行かせたと考えられる。
神功皇后時代に初代・武内宿禰は大臣で、初代・武内宿禰の命令で作られた船に生まれたばかりの誉田別尊を乗せて、海神が景行天皇の息子の五百城入彦皇子(いもきいりひこのみこ)で宮崎県の統治者と考えられて、五百城入彦皇子の元に誉田別尊を行かせて、後に誉田別尊が五百城入彦皇子の孫娘の仲姫(なかひめ)と結婚して仁徳天皇が生まれたと考えられる。
瓊瓊杵尊(誉田別尊を神格化)と息子の火火出見尊(仁徳天皇を神格化)が同一神とされて、それが火火出見尊が海神の宮に行く塩土老翁(初代・武内宿禰を神格化)の作った籠(船)に乗った伝承につながり、火火出見尊(仁徳天皇を神格化)が雪の中で籠に乗って現れたのが、生まれたばかりの父の誉田別尊を宮崎県に行かせた事実に基づいているからだと考えられる。
火明命と火火出見尊が同一神とされて京都府宮津市と宮崎県に伝承が残るのは、先祖の彦坐王と子孫の誉田別尊と息子の仁徳天皇の物語だからである。

場違いな神様は他に幾らでも例があって、僕が『ホツマツタエ』を完全解釈できれば求められる可能性が高く、僕が未来のために託す大いなる希望である。

<参考文献>
『日本書紀(上)全現代語訳―全三巻―』
宇治谷孟・著者 株式会社講談社・発行
『古代日本史への挑戦』
僕・著者 発行・株式会社オカムラ・発行
『総図解よくわかる日本の神社』
渋谷申博・著者 株式会社新人物往来社・発行
『日本の神様読み解き事典』
川口謙二・編著者 柏書房株式会社・発行
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