醜(色;しこ)と可美(うまし)の共通性


これは出版していない3冊目以降の本の著作権を含む。

醜(みにく)いと色(いろ)という漢字に共通性はないように思うが、共に「しこ」という呼び方が共通して、醜(しこ)が「みにくい」という呼び名の意味でなく、本来「特に恐(おそ)ろしい」という意味で、醜男(しこお)が「ぶおとこ」とも読めるが、色男(いろおとこ)の意味を持つことを知っているか?
色男の対義語は醜男と思われるが、「記紀」などの歴史書の中での扱い方に違いを見つけられる。
出雲大社の祭神の大国主神(おおくにぬしのかみ)は、『日本書紀』で別名を葦原醜男(あしはらしこお)と書いて、『古事記』で別名を葦原色許男(あしはらしこお)と書いて、醜と色が言霊(ことだま;言葉の魂)でつながって同じ意味に捕らえられる。この醜と色の名前が使われる神や人物は、出雲王家の血筋の物部(もののべ)氏に限られる。

伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の黄泉国(よみのくに)下り神話は、冥界の鬼女8人の黄泉日狭女(よもつひさめ;別名を黄泉醜女:よもつしこめ)が登場して、八雷神(やくさいかづちのかみ)が黄泉醜女の女性に変化した。
八雷神の一神の火雷(ほのいかづち)は怨霊(おんりょう)で、伊弉諾尊(垂仁(すいにん)天皇を神格化)に斬殺された軻遇突智(かぐつち;狭穂彦王(さほひこのみこ)を神格化)が火雷と同一神で、狭穂彦王が物部氏の直系先祖で、醜の漢字が使われる。
物部氏出身の天皇の妃は、欝色謎命(うつしこめのみこと)と伊香色謎命(いかがしこめのみこと)で、色の漢字が使われる。
『ホツマツタエ』の物部氏の血筋は、イツモシコという人物が出てきて、出雲醜大臣命(いずもしこおおおみのみこと)と同一人物で、醜の漢字が使われる。
最後の出雲国王の飯入根(いいいりね)は、出雲醜大臣命と同一人物で、大国主神に神格化されて、葦原醜男と葦原色許男とも同一神で、醜と色の漢字が共通する。

相撲(すもう)で四股名(醜名;しこな)は力士(りきし)の呼び名で、醜(しこ)が「みにくい」という呼び名の意味でなく、「たくましい」という意味で、3代目出雲国王の野見宿禰(のみのすくね)が物部氏の直系先祖で、初めて相撲を取った人物である。

可美(うまし)の意味は美称で、出雲王家(物部氏)に関わる名前である。可美葦牙彦舅尊(うましあしかびひこじのみこと)は、日本神話の最初に出てくる別天神(ことあまつかみ)の一神で、日本武尊(やまとたけのみこと)を神格化している。
可美葦牙彦舅尊の漢字の由来は、日本武尊が出雲王国で日本武(やまとたけ)天皇となって、息子の仲哀(ちゅうあい)天皇と対立して2朝廷並列時代を作って、「葦牙」と「舅」が葦原中国(中国地方;出雲王国)で牙をむいた7代目出雲国王の飯入根(いいいりね)の舅(しゅうと)である日本武尊と解釈できる。
7代目出雲国王の飯入根の実弟である可美韓日狭(うましからひさ)は、直系子孫がいるか分からないが、物部氏の直系先祖の一員である。
可美真手命(うましまじのみこと;狭穂彦王を神格化)は、2代目出雲国王の狭穂彦王が物部氏の直系先祖である。
4代目・武内宿禰(たけのうちのすくね)の弟の可美内宿禰(うましうちのすくね)が物部氏の出身である。

このように醜(色)と可美の名前の共通性は、出雲王家の物部氏に深く関わって、「記紀」や『ホツマツタエ』を正しく完全解釈できる僕にしか求められない。
古代日本史を正しく完全解釈できる能力は、僕以外に持てる者など存在しなくて、どんなに頑張っても現代人だと一生不可能と考えられる。

<参考文献>
『日本書紀(上)全現代語訳―全二巻―』
宇治谷孟・著者 株式会社講談社・発行
『古事記(上)(中)―全三巻―』
次田真幸・著者 株式会社講談社・発行
『完訳秀真伝』
鳥居礼編・著者 八幡書店・発行
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