ケツァルコアトル


これは出版していない3冊目以降の本の著作権を含む。

ケツァルコアトルは「羽毛の蛇」と訳す太陽神で、有名なアステカ文明(14世紀頃から1521年まで続いた文明)の神様と思う人が多いが、それ以前のトルテカ文明(7世紀頃から12世紀頃まで続いた文明)の神様というのが正しい。
トルテカ文明の太陽神ケツァルコアトルは、呼吸を与える者で風神でも創造神でもあって、実在したトルテカ文明の都市トランの9代目皇帝でもある。
9代目皇帝のケツァルコアトルは、イギリスのアーサー王のような伝説的英雄で、トウモロコシの栽培や織物や石の磨(みが)き方や羽毛のマントの作成法を教えて、他人に時間の測(はか)り方や天体運動の研究法も教え、暦(こよみ)を発明して年中行事と祈(いの)りの日を定めもした。
ケツァルコアトルはトルテカ神話の蛇体の太陽神で、実在した都市トランの9代目皇帝でもあって、神格の二重性を持つ変わった存在だが、僕からすると日本の古代太陽神との関連性を考えてしまう。

日本の古代太陽神との関連性とは、古代太陽神の火明命(ほあかりのみこと)と初代・大物主神(おおものぬしのかみ)と天日槍(あめのひぼこ)などに神格化される彦坐王(ひこいますのみこ)、蛇体の古代太陽神の大物主神と滝祭神(たきまつりのかみ)と八岐大蛇(やまたのおろち)である。
初代・崇神(すじん)天皇の実兄の彦坐王は、古代の男性の太陽神アマテルカミ(天照神)を祭る初代宮司と考えられて、火明命として神格化されたがアマテルカミと融合して天照国照彦火明命(あまてるくにてるひこほあかりのみこと)となり、別に初代・大物主神と天日槍などにも神格化したと考えられる。
蛇体の古代太陽神の大物主神は崇神天皇10年に小蛇として出てきて、彦坐王と息子・狭穂彦王(さほひこのみこ)の子孫の物部(もののべ)氏の歴代出雲国王を一人の神様として神格化している。
蛇体の古代太陽神の滝祭神は、伊勢神宮内宮で天照大神(あまてらすおおみかみ)と同じくらい大切に祭られる蛇神で、伊勢神宮内宮の横を流れる五十鈴川(いすずがわ)全体を神格化した古代信仰の神様である。
蛇体の古代太陽神の八岐大蛇は、滝祭神を怪物視したもので、日本神話を正しく解明すれば求められる。
日本の古代太陽神はケツァルコアトルと同じで、日本神話などの蛇体の太陽神とおそらく実在した彦坐王を神格化した太陽神がいて、神格の二重性を持つことがトルテカ文明との関わりを考えさせる。

ケツァルコアトルの名前をもじると「くにてるひこ・あまてる」となって、日本の古代太陽神の名前と重なって、単なる偶然でなくトルテカ文明の王家と古代天皇家が共通の先祖を持つと考えられる。
トルテカ文明と古代天皇家の共通性は、まだ僕の想像の域を出ないが、もっと詳しい人たちが解明してくれることを願う。

<参考文献>
『世界神話辞典』
アーサー・コッテル:著者 柏書房株式会社・発行

戻る